断熱性能を考える基準*パッシブデザインの話15*
カテゴリー:パッシブデザイン
今回は、断熱性能の基準値についてお話をします。
基準値というのは、以前平成11年度まで使用されていた“Q値”と、
現在の評価基準として用いられている“UA値”についてです。
どちらの評価基準も熱損失についての基準ですが、
Q値とUA値で唯一違うものは、換気(換気扇+漏気)からの熱損失の項目です。
UA値は、“断熱仕様の平均を数値化したもの”であり、建物全体の保温性能を正確に示さないともいわれています。
計算式は、UA=(4つの外皮部位の熱損失=熱貫流率×面積)÷外皮面積
で示されます。
一方Q値の計算式は、
Q=(4つの外皮部位の熱損失+換気熱損失)÷床面積
となり、こちらの方がほぼ正確に建物の保温性能を示すともいわれています。
なかなか難しいですね。
上の図を見てもらうと、イメージしやすいかもしれません。
箱の数は同じなので、床面積は変わりませんが、外皮面積はBの方が大きくなります。
熱損失はBが大きくなりますが、その分、計算式の外皮面積も大きくなるのでA・BのUA値は同じ値になるのです。
しかし、Q値は床面積で割るので、熱損失が大きくなるほど値が大きくなってしまいます。
評価基準も掘り下げてみると、奥が深いですね。
私たちが住宅の性能を比較するうえで、どちらがいいというわけではなく、
あくまで現行のUA値の基準で比較しながら、前基準のQ値も確認するという方法を取っています。
ちなみに弊社では、エナジーズー(URL⇒https://energy-zoo.com/)というソフトを使って2つの値を同時に比較しています。
弊社の標準仕様で、断熱試算用のモデルによる計算結果は、
UA値0.42W/㎡Kで、Q値が1.78W/㎡Kという結果が出ています。
(UA値の6地域に該当⇒0.87以下・Q値の次世代省エネ基準の4地域に該当⇒2.7以下)
目に見えないものが、数値で比較できるのはわくわくしますね。
でもやはり、数値以上に、体感も大事だなともとても思います。
気になる方は是非ヒュッゲにお越しください。
世の中の状況が良くなれば・・・
真夏には体感会を実施しようと思っています^^
(アイキャッチ画像については、近々お話しします)
**温度計のつぶやき**
2020/4/17~4/23の期間中
最低外気温:7.98℃⇒その時の室内温度石膏ボードの内側:18.44℃(2020/4/19AM6:00頃)
※通常計測している温度計はメンテナンス中ですが、その他に設置している温度計で一番室温に近そうなLDK南側の壁の石膏ボード内側のデータを採取しました。
★エアコンは、リビングのAC1台を前々日のAM8:00~PM4:00まで運転
※時々2階のエアコンも運転することもあります。